接骨院の廃業率はなぜ高い?生き残るために必要なこと

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過去20年間で最多の倒産件数。「第3次倒産増時代」の現実

近年、「接骨院の廃業率が高い」と言われることが増えてきました。実際に、整骨院や整体院などを含む施術業界では、倒産件数が年々増加傾向にあり、経営環境は厳しさを増しています。
では、なぜ多くの接骨院が廃業に追い込まれているのでしょうか。東京商工リサーチの最新データによると、2025年上半期(1-6月)のマッサージ業(接骨院、鍼灸院含む)の倒産件数は55件に達しました。これは過去20年間で最多の数字であり、前年同期比で17.0%増と、明確な増加傾向を示しています。

接骨院の廃業率が高い5つの構造的要因

なぜ、これほどまでに接骨院の経営環境は厳しくなっているのでしょうか。その背景には、単なる競合の増加だけではない、業界特有の複合的な要因が存在します。

競合が増加・差別化ができていない

最も基本的な要因は、需要に対して供給が過剰であることです。
厚生労働省の令和4年衛生行政報告例によると、柔道整復師の施術所は約5万1千軒、あん摩マッサージ指圧などを含めると合計6万9千軒を超え、全国のコンビニエンスストアよりも多い状況となっています。さらに、整体院やリラクゼーションサロン、整形外科といった周辺業種との境界線も曖昧になり、激しい顧客の奪い合いが起きています。このような飽和市場において、明確なコンセプトやターゲット設定なしに開業することは致命的です。単に「痛みを取ります」と謳うだけでは、資金力のある大手グループや低価格なリラクゼーション店との違いを打ち出せず、価格競争に巻き込まれて疲弊していきます。

資金不足に陥っている

接骨院経営の収益構造が変化し、資金繰りが急速に悪化するケースが増えています。
かつて経営の柱であった療養費(保険診療)は、不正請求対策による審査の厳格化や、窓口で全額を支払う償還払い制度の導入により、以前ほど安定した収益源ではなくなりました。一方で、電気代などの光熱費や消耗品費の高騰、インボイス制度による税負担の増加など、出ていくお金は増え続けています。また、開業時の初期投資に過剰な費用をかけすぎた結果、回収計画が狂い、運転資金が枯渇して早期廃業に追い込まれる事例も散見されます。入金は減り、出費は増えるという二重苦が、多くの院を資金不足へと追い込んでいます。

立地・物件選びに失敗している

店舗ビジネスである接骨院において、立地は経営の命運を分ける重要な要素です。しかし、家賃などの固定費を抑えることを優先しすぎた結果、集客に不利な物件を選んでしまうケースが後を絶ちません。人通りの少ない路地裏や、視認性の悪い空中階(2階以上)の物件は、認知されるまでに多額の広告費と時間を要します。特に開業初期は認知度がゼロの状態からスタートするため、立地のハンディキャップを跳ね返すだけの集客力がなければ、患者が来ないまま固定費だけが出ていく状態に陥ります。事前の商圏調査が不十分なまま、競合が密集するエリアやターゲット層が少ない地域に出店してしまうことも、典型的な廃業パターンの一つです。

集客ノウハウが足りていない

「腕が良ければ患者は来る」という職人気質の考え方が通用しにくい時代になっています。医療広告ガイドラインの厳格化により、「必ず治る」「地域No.1」といった強い言葉でのアピールや、ビフォーアフター画像の掲載が規制されています。これにより、他院との違いを伝える難易度が格段に上がりました。また、WebサイトやMEO(マップ検索対策)、SNSの活用など、現代の消費行動に合わせたマーケティング戦略が不足している院も多く見られます。ターゲット層に届く適切なメッセージを発信できなければ、どれほど優れた技術を持っていても、その存在を知ってもらうことすらできずに経営が行き詰まってしまいます。

深刻な人材不足と後継者不在

経営数値上は黒字であっても、「人」の問題によって廃業を選択せざるを得ないケースが急増しています。施術スタッフの採用難易度は年々上がっており、求人を出しても応募が来ない、採用しても育成が追いつかずに早期離職してしまうといった悩みが尽きません。人材が確保できなければ、ベッドを稼働させることができず、機会損失を生み出し続けます。加えて、経営者の高齢化も深刻です。優良な顧客基盤がありながらも、後を継ぐ人材がいないために閉院するあきらめ廃業が、業界全体の廃業率を押し上げる要因となっています。

生き残るために必要な対応策とは?

こうした厳しい経営環境のなかで、生き残るためには、いくつかの対策が求められます。

自費診療メニューの強化

国の医療費抑制策により、保険収入の減少は今後も続きます。経営を安定させるためには、骨盤矯正やEMS、美容鍼、自律神経ケアなどの「自費メニュー(自由診療)」を強化し、保険診療に頼らない収益構造を確立することが急務です。 単価アップだけでなく、制度改正の影響を受けにくい強固な経営基盤を作ることにつながります。

スタッフ定着の仕組みづくり

人材不足が常態化する中、採用以上に重要なのが離職防止です。 給与面だけでなく、キャリアパスの明確化や、有給休暇の取得推奨、長時間労働の是正など、労働環境を見直す必要があります。スタッフが長く働ける環境を整えることは、患者との信頼関係維持に直結し、結果として集客コストの削減にも寄与します。

広告・集客方法の見直し

「誰でも来てください」という総花的なアピールでは、競合他社や大手グループ院との差別化が困難です。 産後ケア専門、スポーツ外傷特化、高齢者のフレイル予防など、自院の強みとターゲットを明確に絞り込む必要があります。その上で、WebサイトやMEO、SNSを効果的に活用し、特定のニーズを持つ層に選ばれる仕組みを作ることが重要です。

後継者候補の早期育成

将来的な事業承継を見据え、早い段階から後継者候補の育成に着手する必要があります。 施術技術の伝承だけでなく、経営数値の管理やスタッフマネジメントなど、経営者としての権限を徐々に委譲していきます。 もし親族や院内に適任者がいない場合は、廃業を避けるためにも、第三者への承継(M&A)に向けた準備を早期に進めることが現実的です。

廃業ではなくM&Aという選択肢

経営不振や後継者不在を理由に、すぐに廃業(閉院)を選択するのは早計です。 近年、接骨院業界ではM&A(事業譲渡・売却)が活発に行われています。
M&Aには、単なる事業の売却以上のメリットがあります。

大手・中堅グループへの参画による安定化

資金力や集客ノウハウを持つグループの傘下に入ることで、経営基盤を安定させる方法です。 院長は雇われ院長やエリアマネージャーとして残り、経理や採用業務から解放され、施術に専念できる環境を確保するケースも増えています。

創業者利益の確保と資産の現金化

廃業を選べば、内装の解体費用や原状回復費で数百万円のコストが発生する可能性があります。 一方、M&Aで譲渡できれば、解体費用が不要になるだけでなく、営業権(のれん代)として譲渡益を手元に残すことができます。

患者とスタッフの保護

M&Aであれば院は存続します。 通院している患者の施術環境を維持し、勤務しているスタッフの雇用を守ることができます。これは地域医療への貢献という観点からも重要です。

おわりに

廃業を選べば、先生が長年築き上げた「患者様との信頼」や「育てたスタッフ」という財産はすべて失われてしまいます。
市場環境は厳しいですが、生き残るための選択肢は残されています。 「自費への転換」や「M&Aによる事業承継」など、これまでの努力を正当に評価される形で、次へつなぐ道をご検討ください。

Wellness M&Aは、業界特有の事情や現場の想いを熟知した、接骨院専門のM&A仲介サービスです。
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